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【寄稿19】水野忠央公奉納の十一面観音 »»Web会員««

◆本会々員・後藤芳央様所蔵「第十一代新宮城主水野忠央公奉納十一面観音」
 第十一代新宮城主水野忠央公から、初代新宮城主水野重仲公に奉納されたと推定される「十一面観音」の記事と写真が、本会々員・後藤芳央様から寄稿されましたので投稿します。
                          研究会事務局



第十一代新宮城主水野忠央公奉納十一面観音

 今回は入会をさせていただきまして有難うございます。
小生の家に総高80cmの十一面観音様が居られます。光背にかすかに読み取れますが、「紀伊国新宮城主水野忠央公」「全龍院殿ニ奉納ス」とあります。かねてより気になっていましたが、貴会に判る方が居られるかもしれないと思い入会させていただきました。
 光背の裏側に痛みがありますが、像自体は指等の欠損も無くいたって良好です。「紀伊国新宮城主水野忠央公」は写真でも確認できますが、「全龍院殿ニ奉納ス」の部分は修理跡があるため写真では確認できません。しかし、よく見ると間違いなく書かれていることが確認できます。この仏像の由緒が少しでも解かりましたらと思っています。
 「全龍院(*1)」とは初代新宮城主水野重仲(*2)のことと思われます。といいますのも、重仲の法名は「全龍院殿日山常春大居士」となっています。ただ、ネットで調べてみました範囲では、荼毘にふされたお寺と、菩提寺とお墓が別々で、この仏像が何処にあったものかと悩んでおります。この仏様の由緒がわかりますように、お手伝いいただけましたら幸いです。
 以前別の仏像をレントゲンを撮りましたところいろいろなものが出てまいりました。もし由緒が光背に書かれている通りでしたら、レントゲンを撮ってみたいと思います。

                           後藤芳央


[註]
*1=『寛政重修諸家譜』「重央」の最後部に、「元和七年十一月十二日和歌山にをいて卒す。年五十二。月山常春[今の呈譜、日山常春全龍院]と號す。同國直川の全正寺に葬る。」とある。元和七年(1621)。
*2=『寛政重修諸家譜』の「重央」には、「藤四郎 藤次郎 對馬守 出雲守 従五位下 今の呈譜はじめ重信、重央、のち重仲にあらたむといふ。水野藤次郎忠分が三男、母は某氏」とある。

[参考資料]
【新宮水野家譜】
重仲━重良━重上=重期=忠昭━忠興=忠實=忠寄━範明=重啓━忠央━忠幹━


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by mizuno_clan | 2012-01-20 22:23 | ★史料紹介