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『続 加藤清正「妻子」の研究』

 本会員の水野勝之氏・福田正秀氏による共同研究『加藤清正「妻子」の研究』が、2007年10月に上梓され、本ブログにおいても紹介したが、この書により、根拠もなく語られていた清正の妻子の全貌を、史料考証により明らかにされた。
 刊行を機に、新たな史料の発見と発掘が進み、積み残された幾つかの謎も解け、お二人の研究は進展し、待望の続編として纏められようやく刊行されるに至った。
 この研究から見えてきたのは、清正と妻子とめぐる様々なの愛の形であった。

 本書は題名通り「加藤清正の妻子」についての研究書であるが、「あとがき(水野勝之)」に、「――清正夫人となった水野勝成の妹、清浄院のことを知りたいという単純な動機から、続編を出版するまでの広がりを見ようとは……」と書かれているが如く、水野家を出発点とした著書であるだけに、水野家についての史料考証は秀逸である。
中でも「第四章 正室清浄院(水野氏)と八十姫(瑤林院)」には、八十姫(瑤林院)生母を証明する該当史料が「水野家記」(福山城鏡櫓蔵)、水野家文書の「水野記」(京都・龍光院蔵)などから、根拠部分が紹介されている。この他、写真と共にそ今回初めて発見された史料も掲載されている。
 また福田・水野両氏がそれぞれ記された「あとがき」には、異口同音に「様々不思議な導き、宿命の出会い」の体験を書いておられるが、水野氏史研究においても過去に様々な不思議な導きを体験しており、多くの先人のお導きお力添えがあってこそ、氏史研究が進んでいくことを改めて実感した次第である。

 尚 今般著者の水野勝之氏から、本著の発刊に先立ち水野氏史研究会に恵贈されました。お心遣いに深謝申し上げます。

 会員各位にはぜひご一読をお勧めします。
                                 研究会事務局


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『続 加藤清正「妻子」の研究』
水野 勝之著
福田 正秀著
ジャンル:論文・学術書・参考書
ISBN:978-4-434-16325-8
ページ数:312ページ
判型:上製本 A5判
発売日:2012年1月24日
価格:3,150円(本体価格3,000円)
分類コード:3021
出版 : ブイツーソリューション
発売 : 星雲社

【内容紹介】
新史料から見えてきた愛のかたち
『関宿加藤家文書』
『高田藩榊原家史料』
「第29回熊日出版文化賞」受賞作品 続編


【目次】
はじめに

第一部加藤清正の妻子
第一章清正の息女名前の謎
第二章糟糠の妻山崎氏と虎熊・百助
第三章側室竹之丸殿(淨光院)とあま姫(こや)
第四章正室清淨院(水野氏)と八十姫(瑤林院)
第五章側室川尻殿(本覚院)と忠正(清孝)
第六章側室正應院(玉目氏)と忠廣
第七章清正の息女あま姫(こや)
第八章清正の息女瑤林院八十姫
おわりに―「加藤清正の妻子」まとめ
◎加藤清正妻子年譜

第二部新出史料の研究
第一章関宿加藤家文書
第二章高田藩榊原家史料
第三章成羽山崎家文書
第四章庄林氏由来
第五章加藤清孝史料
第二部のおわりに

参考文献

あとがき



●update 2012.02.26
「熊本日々新聞」の書評に『続加藤清正 妻子の研究』の書評が掲載されました。
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by mizuno_clan | 2012-01-22 17:02 | 推薦図書